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銀河史の上巻と下巻の序盤までを読み終えたところで、この歴史書の「たてつけ」が浮かび上がってきました。すなわち
- 舞台は「天の川銀河」であり、より大きな宇宙空間の一部であること
- 今から550万年前から2万年前までの銀河系人類史であること
- (それから近代までは下巻の中盤以降で説明されていると推察)
- 星座名と恒星名を使って星団や宇宙人類を区分して扱っている
- ケンタウルス座の太陽系の地球は「聖地」とされている
- 繰り広げられるのは、高度な技術と文明を持つ物理社会と主権者の興亡
- 光の速度を超える恒星間移動が可能な技術がある
- 非常に高い技術力を駆使した戦争の歴史でもある
- 限定領域(天の川銀河)の担当創造主は多分に擬人化されている
- 目に見えない世界の神々と物理世界の宇宙人類との関係が描かれている
- 神々との交信は開発された星団に所属する巫女(女性の霊能者)が担当していた
- 稀にシャーマンのような霊能者も活躍した事例が残っている
- 女神の能力と役割が詳しく紹介されている
といったところです。筆者は、ここまでの銀河史を読んで、地球に残っている「ギリシャ神話」と著名なSF作家のアイザック・アシモフの「銀河帝国の興亡」を連想しました。神々との交信があるところはギリシャ神話的であり、高度な科学技術による恒星間旅行や強力な武器の記述はアシモフ的です。
限定領域とはいえ、広大な銀河系の歴史ですから、2万年迄の文明や星団の興亡の歴史には206箇所の高度技術を持つ惑星(銀河の中心付近)と135箇所の未開発の宇宙人類を宿す惑星(合計341の星および種族)という膨大な宇宙生命史が紹介されています。宇宙人類の物理的な頭数は数千億という記述があります。ここまできっちり数字を揃えた文章は全く初めてで新鮮です。
206の星の住人は数十万年前に恒星間を飛び交う技術を開発済みで、利用する宇宙船舶も光の速度をはるかに超えているというものでした。未開の135箇所の星は、開発済みの星々の格下にあり、育成されているか隷属化されてきていて、聖地である地球も550万年前から数万年前まで、高度技術を持った宇宙人類に保護され、育成され、あるいは移動を制限されて隷属化されてきたと説明されています。当然ながら地球は恒星間旅行の技術を持たない135の未開発の星のグループに属しています。
創造主や神々の扱い
下巻の序盤までの内容を通して読者として拭い去れない違和感があるのは、創造主の擬人化でした。上巻の記述では、当該銀河系の創造主である「セザナ神」は、単なるパワハラ親父であり、気の短い、粗暴な性格が特徴であるかのように書かれています。
他の銀河にも創造主が配置されていることは、なんとなく理解できたので、ありとあらゆる全宇宙の大本の創造神ではないでしょうが、それでも300を超えるの有人惑星と数千億の宇宙人類が生存する銀河系の創造主です。もう少し敬意を持った記述ができなかったのでしょうか?
このことの答えは、銀河史の内容よりも、この銀河史を紹介している日本の団体や、この種の宇宙の啓示を真剣に説明している日本の有識者が発信している情報にありました。
つまり、この「創造主」というのは、宗教という地球にある独特の信仰文化に基づくなら、「神」であり、全能であり全知であり、信奉者は平身低頭して崇め祀るのが当然ですが、この宗教そのものも、銀河史の中では、地球人に余分な知見を与えないための便法であり、また、地球人を隷属化するための理屈だったというわけです。
無論、創造主をバカにするような態度ではありません。創造主は創造主なりに、その役割を負っていて、銀河を司る力を持っているのですから、蔑ろにはできません。
しかしながら、創造神だからといって過剰に権威性を強調すると、結局は読者の隷属化意識の上塗りになってしまうのでしょう。ですから、創造主でも、人類と同様に失敗もすることから、「過剰に畏怖心を抱いて恐れる必要は全くない」というパラダイムで銀河史を描いているのだと思います。
よく言えば巨大な多国籍企業のCEOや、強力なマフィア組織の頭領みたいなもので、失敗もするし、ダメならお家取り潰しとなる責任を負っているというわけです。
銀河史曰く、創造主の仕事には2面性があり、一つはいわゆる創造主として銀河を管理するが、もう一つは「魔王」として、銀河系の意識総体に負のインパクトを与えるような「受け入れ難い」存在を排除したり抹殺したりする仕事。つまり、銀河系の基準による不要分子を牽制する警察権限です。東山の金さんのように反社会的な存在にはあらゆる手を使って「懲らしめる」こともしなければならないわけです。
紹介している銀河史に関係する活動を進めている日本の有識者には、誰一人宗教家はおらず、あるのは極めて科学的な立場の「宇宙生命論」だけです。彼らが力説しているのは、「宗教」という便法で異星人から思考操作されていたパラダイムから日本人は「早く脱出しなければならない」という命題であり、正しい宇宙生命のパラダイムにおいては、目にみえる生命も見えない生命も、平等に価値があるのであり、どの立場が偉くて全能だとかいうコンセプトは人間の奴隷化のためのコンセプトだというわけです。
突然の「オリオン帝国」
銀河史・下巻の「あらすじ」によれば、天の川銀河の采配に失敗して、四面楚歌となったセザナ神(創造主)が今から2年前に高度技術を持った有人惑星の人類を一気に抹殺するという暴挙にでています。
ところが、下巻の序盤にある抹殺劇と相反する記述が巻末の資料に記載されています。
これは、全く不可解でした。1万8000年前にこの「オリオン帝国」(またはベテルギウス星)がプレアデス星団やアリニラム人類の後に地球に入植したというのなら、その2000年前のセザナ神による高度な有人惑星人類の抹殺劇は「嘘」になってしまいます。
ここでいよいよ、銀河史の筆者の矛盾が露呈したかに見えました。
有人宇宙のビッグ・シフト
ビッグシフト(大変革)という表現は、このブログの筆者である私の表現です。
銀河史が正しいとして解釈します。今から2万年前のセザナ神の暴挙には2面性がありました。
セザナ神は、表面的には、高度技術を発展させたが、その後の人類育成を上手くできない有人惑星の「物理的な」人類を抹殺したのですが、過去数十万年もの期間、天塩にかけて育てた自分の子供達である人類を何の配慮もなく抹殺したのではなかったのです。
実は、物理面での有人惑星の生存を無にした一方、セザナ神は当時発達していた銀河人の肉体を非物理世界に召喚して、目に見えない「神」の一種である「霊魂体宇宙人」(以下「魂体」と略す)への強制的に昇格させたというのです。
成長した有人惑星の人類を全員「魂体」(こんたい)、つまり「神」の領域に招き入れれば、肉体を抹殺された人類の魂は、創造神に対して怨念を残すことは無いという判断でした。
銀河史によれば、「霊魂体宇宙人」というのは天体の神意識に特殊な操作を行うことで、他界した人間が人間時代と同じ心の回路をそのまま使用できるという、神と人間の「合いの子生命」のことだそうで。これは別途説明されている「宇宙生命論」でも解説があるようです。
事実、銀河史の下巻には、ベテルギウス星の「魂体」集団が、セザナ神の人間抹殺の事件から一念発起して、目に見えない集団を組織かして「オリオン帝国」なる勢力を作り上げたと書かれています。
曰く(銀河史・下巻 第二章:創造主の決断、ズザネ弾攻撃より)
結局、我々の銀河が(大粛清の後)静かになったのは、たった1000年間だけだった。ベテルギウスは、神の一員となっても再び勢力を拡大しはじめ、霊魂体宇宙人が住む惑星の多くをあっという間に蹂躙し、(中略)霊魂体宇宙人の一大帝国を短期間で築いてしまう。それが「オリオン帝国」だった。
第二章:創造主の決断、ズザネ弾攻撃
上巻の違和感の解決
この銀河の物理系異星人で、地球を超える文明と技術を持っていた集団が全て「物理世界」から引き離され、目に見えない神界に生息する「霊魂体」にビッグシフトしたのであれば、どうしても納得できなかった上巻全体に関する問題が解決します。
今から2万年前までの宇宙は、今の地球と同じように物理的な異星人の反映と科学技術の世界であり、恒星間旅行も戦争も、全て地球のものの拡大版として「物理的」に展開していて、神界はそれを静観するか、何らかの影響を与える立場だったのですが、
2万年前のセザナ神の人類抹殺事件以降、高度な知識と技術を持った異星人の有力な部分は全て「魂体」として、地球人の目に見えない世界に移行したということなのです。
最後まで参照いただき、ありがとうございます。
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