国家・民族・宗派

おすすめ語録

我々が歴史から学び、規制や統制を考える時に、国家や民族の命題なり大義名分は無視することができない。元米大統領のトランプのアメリカ・ファーストや東京都の都民ファーストは足元の物理的な人の集まりを集団的に捉えて、これを守ることがリーダーの大義だとしている。

制約だらけの物理世界の中に生きている人間にとっては、自国優先の指導者は重要な存在であるから、政治家や国家の指導者を否定するような考えは無い。

しかしながら、この国家であるとか民族という「地政と人間のくくり」は、あまりにも強調され過ぎて独り歩きをしてしまっているようだ。

筆者が中学生だった1973年、米国でノーベル賞(物理学賞)を受賞した日本の江崎玲於奈氏(現筑波大学学長)のインタビューが毎日新聞に掲載された。記者が、米国での研究生活は日本人と文化の違う国での生活で大変ではないかと問いかけたところ、江崎氏は、「いやそんなことはない、米国人だって様々な人間がいるのであり、アメリカという国を根拠に人間の生き様を一般化するようなことはできない。」と答えたのを聞いて感銘を受けた記憶がある。

例えば、筆者は中国という「くくり」の国家のあり方には全く愛着を持てない。そこには粗暴で自己中心的な自己主張が渦巻いていて、とても賞賛する対象とは思えない。ところが、この地球で最も素晴らしいピアノの演奏家を挙げるなら、筆者は中国出身の郎朗(Lang Lang) を挙げる。彼の表現力やダイナミックな演奏姿勢は唯一無二ではないかと思う。

2014年に暗号資産の取引に有効なイーサリアムというブロックチェーンとスマートコントラクトを統合したシステムを発表したヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin, ロシア語: Виталий Дмитриевич Бутерин, 1994年1月31日 – )はカナダ在住だが、生まれはロシアである。彼が活躍している世界は西側であり、生まれた国とは一線を引いている場所だ。

日本のテレビやマスコミが影響力を失って、情報内容の偏重が明るみに出てしまってからというもの、24時間視聴可能な動画サイトやソーシャルメディアには、「日本」という国のくくりにいて驚くほど多くの情報が流れている。

曰く、日本は国として、海外の見えない権力に隷属していながら、実は世界の苦境を救えるほどの根源的な力を持っている。その食生活は戦後の外圧に大きく影響され、今や食の安全は実質上崩壊していて、がんによる死亡者が急増しているといった話だ。

思うに、今人類が最も真剣に取り組まなければならないのは、国家の利害や国境を超えた人類の共存共栄を支える仕組み作りであり、常に夢物語でしかないと揶揄されるジョンレノンのイマジンという曲の世界に他ならないようだ。

AIの進化が進むにつれ、世界はようやく「英語」という優勢言語によって差別された文化的な分断・対立環境から脱出しようとしている。

あと5年から10年すれば、物理世界での人間同士の言語の壁は取り払われるであろう。そうなれば、日々の情報流通が確保されさえすれば、国家や民族の区分や差異化による、無駄な紛争やイデオロギーの応酬はその目的を失うだろう。

今60歳から70歳の高齢にある人間も含めて、地球文化が新たな文化環境に移行する時は、すぐ目の前にあるのだ。

※投稿した著名人の写真は全て wikipedia の記事から転載許可を確認した上で copy したものです。

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